千歳市の人口が2年連続で計画未達に|地価急騰の裏で進む恵庭市への住み替え

次世代半導体メーカー「Rapidus(ラピダス)」の進出により、千歳市の地価は全国トップ級の上昇を続けています。ところが2026年7月に報じられたデータによると、肝心の人口は2年連続で市の想定を下回っているという、一見矛盾した状況が明らかになっています。

「地価が上がる=人が増えている」とは限らない——この記事では、報道されている最新のデータをもとに、千歳市の人口動向と地価上昇の実態、そしてその影響で進む恵庭市・南幌町への住宅取得先シフトについて整理します。

千歳市の人口、2年連続で人口ビジョンを下回る

2026年7月23日の報道によると、千歳市の人口は2026年6月1日時点で9万7,158人。市が掲げる「人口ビジョン」の推計値を1,244人下回りました。前年(2025年6月1日)も9万7,075人で推計を1,219人下回っており、2年連続で1,200人を超える乖離が生じています。

千歳市の人口は、ラピダス進出決定(2023年)後に一時9万8,000人台まで増加しましたが、その後は減少傾向に転じているとされています。ラピダス進出という強い追い風がありながら、人口が想定通りに伸びていないというのが実情です。

地価上昇はどの程度か:千代田町商業地は全国トップの伸び率

一方で、地価の上昇は極めて顕著です。千歳駅前・千代田町の商業地は1平方メートルあたり24万5,000円となり、前年からの上昇率は44.1%。これは全国の商業地の中で最も高い上昇率となりました。商業地全体で見ても、直近3年間、公示地価が毎年25〜40%前後のペースで上昇を続けているとされています。

この地価上昇の背景には、ラピダスの工場建設が本格化する中での関連企業の進出、建設工事関係者の一時的な流入、投資目的の土地取得などが重なっていると考えられます。

賃貸住宅市場にも影響

報道では、建設工事関係者の流入によって賃貸住宅の需要が高まり、「借りられる住宅の幅が狭まっている」との指摘もあります。地価だけでなく、賃貸市場にもラピダス特需の影響が及んでいる状況です。

なぜ人口が増えないのか:住宅ローンが組みにくい「上がりすぎた」市場

地価・住宅価格が急激に上昇すると、一般的な会社員・子育て世帯にとっては住宅ローンの借入可能額を超えてしまうケースが増えます。報道でも、「一部の若い世代は住宅ローンが組めない」ことを理由に、千歳市近郊の恵庭市や南幌町などに家を建てる動きが紹介されています。中には、建設工事関係者の流入で賃貸住宅の需要が逼迫し、賃貸物件のオーナーから退去を求められた住民の事例もあるとされています。

つまり、ラピダス進出による地価上昇が、皮肉にも千歳市内での住宅取得のハードルを上げ、人口の伸びを抑える一因になっている可能性があるということです。

恵庭市・南幌町へ一部で広がる住宅取得先のシフト

この動きは、千歳市に隣接する恵庭市にとっては追い風となり得ます。恵庭市はもともと、JR千歳線でも千歳・札幌の両方に通勤しやすい立地で、地価水準が千歳市よりも割安な「実需中心のベッドタウン」としての性格を持っています。千歳市内で希望の価格帯の物件が見つからない層の受け皿として、今後さらに存在感が高まる可能性があります。

実際、恵庭市では2026年7月に日本ハムファイターズの新2軍本拠地(西島松地区、約46ヘクタール)の移転も決定しており、雇用創出や周辺開発への期待も重なっています(この件については別記事で詳しく解説しています)。千歳市の地価高騰と合わせて考えると、恵庭市の住宅需要は複数の要因から押し上げられている局面にあると言えそうです。

千歳市・恵庭市の不動産にとって何を意味するか

今回のデータから読み取れるポイントを整理すると、次のようになります。

  • 千歳市の地価上昇は今のところ続いており、売却検討者にとっては有利な局面が続いている
  • 一方で、価格上昇のペースが人口の実需を超えてきている可能性があり、「どこまで上がり続けるか」を見極める視点が必要になってきている
  • 恵庭市・南幌町は、千歳市の価格高騰から相対的に住宅取得しやすいエリアとして選ばれる動きが出ている
  • 賃貸市場も逼迫傾向にあり、投資用物件のオーナーにとっては賃料設定を見直す好機になり得る

ペイフォワードの視点

地価が上がり続けている局面では「売れば高く売れる」という期待が先行しがちですが、今回のデータが示すのは、地価上昇と実需(実際にそこに住みたい・住める人の数)が必ずしも比例していないという現実です。特に千歳市のように短期間で地価が急騰しているエリアでは、成約事例(実際に売れた価格)を丁寧に確認しながら、売り出し価格を設定することがこれまで以上に重要になります。

また、恵庭市側から見れば、千歳市の価格高騰は「近隣エリアへの需要シフト」という追い風です。とはいえ、これも様子見ではなく、今のタイミングでの売却・購入判断が有利に働くかどうかは、物件ごとの状況次第です。私たちは、千歳市・恵庭市両方の最新の成約データを継続的に把握しながら、どちらのエリアの売主様・買主様に対しても、根拠のある価格提案を行っています。

まとめ

千歳市はラピダス進出を背景に地価上昇が続く一方、人口は2年連続で市の想定を下回るという、一見矛盾した状況にあります。背景には、住宅ローンが組みにくくなるほどの価格上昇があり、その結果として恵庭市・南幌町など近隣エリアへの住宅取得先シフトが進んでいます。

地価上昇のニュースだけを見ると強気になりがちですが、実際の売却・購入判断には、人口動態や実需の変化まで含めた総合的な視点が欠かせません。千歳市・恵庭市エリアでの不動産売却・購入・投資をお考えの方は、最新の市場データを踏まえたご相談をペイフォワードまでお気軽にどうぞ。

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