令和2年度 税制改正大綱 注目ポイント②「消費税還付」はもう無理!?

政府与党が12日に発表した「令和2年度税制改正大綱」について、前回のブログでは海外不動産投資について書きました。

今回は、消費税還付についての内容が盛り込まれた部分を少し詳しく見ていこうと思います(^^)

前回に引き続き、該当するような方は要チェックな内容ですね!

-まずは消費税の仕組みをおさらい

消費税は普段の生活の中でも身近なもので、スーパーなどで買い物をしたときなどに商品にかかってきますね。

上記のようにスーパーで買い物をした場合、一般消費者が消費税を支払うのは国ではなく、その商品を売った小売業者に対してですね。そしてこの小売業者は売り上げた分の消費税から、仕入れにかかった消費税を控除した分の消費税を納税します。その控除した分の支払いはその小売業者に卸したメーカーが支払う。といった感じです。

これが「間接税」といわれる所以です。

-不動産投資における消費税還付とは

では本題に戻り、不動産投資をするにあたりかかる、そしてよく聞く消費税還付の対象となる消費税とはどういったものか。

これは、アパートメーカーが販売する新築アパートやマンション、課税業者が販売する中古アパートやマンションなどの建物価格にかかる消費税のことをいいます。(土地は非課税)

そして不動産投資における消費税還付とは、上記例の小売業者のように「仕入れ税額控除」を利用して払いすぎた消費税を還付するというもの。

実際、税込1億1,000万円(消費税10%)の物件で消費税還付を受けると、単純に1,000万円のキャッシュができるのですが、そこから税理士報酬や、課税業者になるためにかかる費用(金取引など)を差引いて、手残りが大体600~800万円あたりではないでしょうか。

-消費税還付を受けることによるデメリットとは

上記の例のように、建物価格によっては多額のキャッシュを手にすることができる消費税還付。

ただここでは、理解しておくべきデメリットについてお伝えします。

不動産投資における消費税還付のデメリットとはずばり、「トータルで見ると大きく損する」可能性があるということです。

どういうことかというと、消費税還付を受けることにより(課税業者となることにより)、購入した物件の決算上の建物価格が消費税を抜いた金額となります。※消費税還付を受けるですから当然ですが。

そうすると、運用中と売却時において下記2点のとおり税額が増加することになります。

①建物簿価の減少により、運用中の減価償却費が減少→課税所得が増加→納税額増加

②建物簿価の減少により、残価がある状態での売却時の譲渡所得が増加→納税額増加

これらを算出していくと、売却時までのトータルで見ると、消費税還付を受けない方が、最終的に残る金額が高いというケースが多いはずです。

ただこれらを理解したうえで、デメリットと捉えない方もいるでしょう。(というより、実際に消費税還付を受けている方は皆さんそうであると信じたい)

これは以前のブログ『不動産投資を成功に導く「タックスマネジメント」』内でも少し触れましたが、「すぐに手に入るお金」と「10年後に手に入るお金」とでは価値が違うということです。つまり上記の例で「最終的に残る金額が高い」としたのは、あくまでその投資単体(単利)の話です。

消費税還付を受けたケースでは、還付を受けたお金により、他の物件の購入資金にあてたり、株を買って運用したりと、複利で運用することができます。この「単利」と「複利」を理解することは、不動産投資において非常に重要だと思います。

-消費税還付はいつまでできるのか

一昔前の「自動販売機スキーム」に始まり、課税業者になるためにあらゆる手段を講じて消費税還付を受ける不動産投資家が増え、あくまでこれについては違法ではないが、納税の抜け道だということで今回の税制改正大綱に盛り込まれたという感じですね。

今までも消費税還付を防ぐために、平成22年、28年と改正してきましたが、完全に無くなることはありませんでした。

今回の改正大綱では、適用時期として令和2年10月1日後の仕入れ分からとしており、同年3月31日までの契約分については10月1日後の仕入れ分も適用しないとしています。

やって良い悪いの話しではなくて、単純に知っているのと知らないのとでは、時に大きな差が生じてしまうことがあると思いますので、やりたいことがあれば積極的に学び、とにかく実行にうつすことが大切だと思います。

弊社も、お客様の夢を叶えるお手伝いができるよう日々精進します(^^)/

不動産投資について興味ある方はぜひお問合せください(^^)/

関連記事

PAGE TOP